大和ハーブとは
古より優れた薬草を育んできた奈良・大和
大和(現在の奈良県)の地は、日本最古の朝廷が置かれ、中国や朝鮮半島などの諸外国からは医薬学や薬、茶などが仏教とともに伝えられ、
全国から優れた生薬が集まりました。
また、周囲を山地や豊かな森林に囲まれ、恵まれた地質の大和地方は、
豊かな降水などの気候風土により薬草や生薬の育成に適した環境にあり、
古来より薬草の栽培が盛んに行われておりました。
歴史的、文化的背景と土地の持つ特性があいまって、
朝廷や寺院に集まる生薬や身近な薬草を利用して
自分たちの健康を守るための知識や経験が蓄積されてきました。
【当帰】トウキ
セリ科シシウド属の多年草。茎は多く枝を分け、高さは20~80cmになる。茎と葉柄は赤紫色を帯び、茎、葉ともに毛は無く、葉の表面は濃緑色で光沢がある。葉は互生し、小葉は切れ込み緑にはとがった鋸歯がある。歯柄の基部は鞘状に膨らみ茎を抱く。花期は5~8月。枝先に複散形花序をつける。
当帰は、世界でアンジェリカと呼ばれ、女性の健康を支える最も有名な薬用植物である。その根茎は漢方薬として用いられる。中国では漢の時代の辞典「爾雅」や薬学書「神農本草経」の中品にも記載され、婦人の要薬とされてきた。現在日本の漢方製剤のうち4分の1余に配剤され、漢方方剤の要をなすトップクラスの重要品種である。日本で日本薬局方に記載され流通する当帰は、Japanese Angerica と呼ばれ日本特産の栽培植物を起原としている。江戸時代には日本各地の当帰の中から、特に茎に赤みがあり香りが強く甘みを持った大和地方大深地区(現在の奈良県五條市)の当帰が最も薬効に優れることから「大和当帰・大深当帰」と呼んで栽培が推奨された。ところが1970年代には、大和当帰栽培農家の減少から「北海当帰」も生薬と認められ、90年代半ばには大和当帰の種子を中国で栽培して逆輸入する事態となる。平成20年の生薬当帰の国内市場では中国産が65%を占めるに至った。
近年、日本国内の漢方薬需要の増加に対し、高品質の原料確保が難しくなっており、国産大和当帰を守り栽培を促進することが急務となっている。
「大和当帰葉」についてのリーフレットもございますのでぜひご覧ください。